2009年3月 8日 (日)

天狗となって遊んだのでした。北八ヶ岳・天狗岳。2

Rimg0145翌朝の朝ごはんショットは、ぶれぶれの写真になってしまいました。昨夜の惨劇に動揺を隠し切れません。写真はウソをつかないなぁ。前日、夕方寝の眠気眼で晩御飯を頂いた私達は、それでも食いしん坊根性を発揮し、御飯のお代わりを数度繰り返し、赤岳鉱泉の食事は旨い、旅館の食事のようだと、横のオジサンと話しながら、お腹一杯になって布団に突入したのでした。午後7時頃の話です。そして、恐ろしい事件に出会ってしまったのです。題すると、「噂に聞いた山小屋酔っ払い事件を初体験」みたいな感じです。
もう、とにかく、ひど過ぎます。私達、可愛そう。寝ている頭の真上で騒がれて、取っ組み合いの喧嘩の間も、じっと寝た振りを決め込んでました。オバちゃんが、「こんなん初めてやわ!」と叫んだり、小屋の主人米川さんが、その酔っ払いを必死で諭したり、それこそ、こんなの初めてで、滅多に出会えない経験が出来ました。しかし、酔っ払いのオジサン、真夜中に冬山の外に出て、「おーい」とか騒いでたけど、寒くなかったのかなぁ。翌朝は、非常にお行儀の良いオジサンになってました。

Rimg0154雲海の向こうは、金峰山の辺りですか。秩父山系の山々が幻想的です。六時半に出発した朝は、少し薄曇りでしたが、それがかえって、山の景色を厳かな雰囲気にします。中山に至る斜面は、緩やかにアップダウンを繰り返します。森に入って、また森を抜けます。目の前にする景色は、見る度に全く違った景観を見せ、見る度に心に残る感動を与えてくれます。A野君は、素晴らしい景色にマヒしてしまいそうですと言います。まったく、その通りです。高所の稜線を歩く私達は、空を自由に遊ぶ天狗の気分。墨絵の中に溶けていきます。

Rimg0163_2 今日は、まだ誰も歩いていないのでしょうか。雪の森は、今日始めての訪問者を静かに迎えてくれました。八ヶ岳の森は、周期的に立ち枯れを繰り返しています。立ち枯れた木々の下から、また次の樹が育っています。厳しい冬の季節を乗り越えていきます。そんなたくましい森が、静かに私達を迎え入れてくれることに、その懐の深さを感じます。遠くから鳥のさえずりが聞こえました。動物もこんな厳しい条件の中で、たくましく生きています。雪を踏みしめる音と、自分の息使いを聞きながら、静かに感動をかみ締めます。

Rimg0200森を抜けた先に広がる雪原は、白駒池です。標高2,115m、面積11.4ha、直径510メートル。広大な池は、3月の今になっても、まだ凍っていました。
黒百合平から中山を越えて、冬は凍って雪原となっている白駒池を目指しました。単純に高見石経由で池に向かってもいいですが、戻ってくる道が同じになってしまいます。そこで、高見石小屋のスノーシュー・ツアーが使っている、白駒池へのショートカット・ルートを探してみることにしました。雪のシーズンのルート・ファインディングが、安全に出来るのも八ヶ岳の魅力です。途中には「オコジョの庭」と呼ばれる、大きな雪のマシュマロが点在するメルヘンな場所があると、先月の高見石訪問で聞いています。もう雪で踏み跡は、無くなっているかもしれません。高度が2,300mから少し降りた辺りに、入口があるはずです。先を歩いてもらったA野君には、登山道の右側に注意して歩いてもらいました。地図を確認し暫く歩いて、おやっと思ったら・・。A君は気付かずに通り過ぎてしまってました。(もー、頼むよ~。車と一緒で、自分で運転しないと駄目です。いつまで経っても人任せなんだよね~。パートナーとは呼べません!)うすい足跡が、右の森の中から出てきてました。この大きな足跡は、スノーシューの物でしょう。踏み跡を追って、森の木々の間を蛇行しながら進むと、広くぽっかり開けた場所に到着です。これが「オコジョの庭」でしょう。でも雪が溶けて、マシュマロも殆ど無くなっていました。更に進むと、ルートは一旦池に向かっているだろう水線を外れて、池から離れた方向へ向かいますが、それは「白駒湿原」を経由するため。ニュウからの道とも合流します。湿原からは、真っ直ぐ池の方向です。森の行き先が明るくなってきて、池が見えてくると、あれですか?と、A野君は嬉しそうな顔になってました。大きな雪原を目の前にして、大休憩。残りの行動食を平らげました。

Rimg0117写真は、天狗岳への稜線。雪庇が東側に張り出します。ポップアップ画面で見てもらうと分かりますかね。右上の岩の形、天狗に見えますか?にゅっと鼻を上に向けている横顔。赤色の登山者の上は、小さく見えてます、黒百合ヒュッテです。厳しい岩稜の天狗岳と大きな森。この山行を凝縮した一枚です。
帰りには高見石小屋に寄って、テラスで休憩。高見石から望む白駒池は、いつ見ても美しいです。一気に渋の湯まで駆け下りました。そして「渋・辰の館」へ。秘湯感のあるお風呂で、ゆっくり。国道沿いに新しく出来たでしょうか、蕎麦屋さん「そばのさと」。天ぷらがたっぷり。お腹も一杯、良い山の思い出も一杯で、ホントに素晴らしい山行でした。赤岳行きたいなぁ。

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天狗となって遊んだのでした。北八ヶ岳・天狗岳。

Rimg0115はるか向こうには北アルプス。眼下には北八ヶ岳の主稜線が続き、その末端には蓼科山が鎮座します。  前日の降雪で雪面の白さがまぶしい。雲ひとつ無い空は、青さが恐ろしいほど冴えます。振り返ると硫黄岳、赤岳、阿弥陀岳。八ヶ岳の仲間達が笑って迎えてくれています。吹く風は厳しいですが、その冷たささえ何故か心地よいです。ここは2,640m、天狗岳頂上。澄んで乾いた空気のせいで、この頂上からは余りにも遠くが見渡せ、地球の丸さが見えているような気が・・。写真の地平線、少し丸くないですか?
今日は、A野君と今期二度目の北八ヶ岳に行って来ました。雪は少なく、やや腐り気味の状況を想像していきましたが、全く違ってました。”オイオイ、こんな素晴らしい雪山を体験しちゃっていいの?”って感じにベリー・グッド・コンディション!雪質が素晴らしい?いやいや、素晴らしさはひと言では表せません。色んな事情で御一緒できなかった皆さん、ごめんなさい!

Rimg0045到着した黒百合ヒュッテの後方には、雪化粧した大きな森が広がります。とにかく、晴れ過ぎちゃって困りました。見る景色のコントラストが強すぎ。雪目で、小屋の中に入ったら、しばらく何も見えなくなってしまいました。
ここへ来る森の中は、適度に日が遮られ、快適なスノー・トレック。先月も息子とやって来て感じましたが、雪の八ヶ岳の森は最高です。森のオーラを感じます。登山口は一部氷化して危なかったですが、唐沢鉱泉からの道と合流するまでの急登は、いいウォーミングアップになりました。

Rimg0062さあ、天狗岳を目指します。居心地の良い小屋では、ストーブ番になってしまうところでした。ここまでくると、雪質は更に抜群の状態です。樹氷も美しい。駅前アルプスで貰ったカレンダーの2月のページは、黒百合平の、この辺りの風景です。あのままです。
北八ヶ岳の中で唯一の岩稜である天狗岳は、樹林帯から頭を出して威容を誇ります。今日は双耳峰天狗岳の左側、東天狗に登ります。東天狗の頂上部に見えている黒い陰は、岩のドームで、天狗岩って呼ぶんでしたっけ?その向こう側に本当の頂上があります。中山峠からは秩父連山、浅間山が美しいです。左の稜線を登ります。その稜線の向こうは断崖で、雪庇が張り出します。踏み抜かないように注意です。見た目はなだらかですが、相当な急登です。

Rimg0081_2 眼下に広がる黒百合平と、それを取り巻く、白の衣装をまとった広大な森。まさに絶景。つらい急登も、素晴らしい景色に元気付けられます。
先程も言いましたが、相当な登りです。ここから下を見ると垂直に近いイメージです。雪面はかなりクラストしてますんで、こけて滑り出すと止まりそうにありません。先週、鎌ヶ岳で鍛え上げられた?ヘッピリの足腰は、唸りを上げてます。また筋肉痛になるのでしょうか。A君は快調そのもの。先日譲ってあげたスント・ベクターで、標高の確認に忙しいです。

Rimg0126_2手前のピークを頂上と勘違いしていて、ちょっとショックでしたが、気を取り直して到着した天狗岳頂上。登頂の喜びと感動は語らず、静かにA君との強い握手で表現しよう、と思いましたが、二人とも大ハシャギでした。A君は彼女に写メするのに大忙し。私も感動の写真をゲットするのに舞い上がってました。後で見てみると、ピンボケや、構図がへたなのばかりで、ろくな写真がありませんでした。でも単独ではなく、A君とここに来られて感謝です。こんないい日に来られた幸運は、独り占めではもったいない。
頂上には次々と、登山者がやって来ます。硫黄岳、赤岳の姿が素晴らしいと、皆言います。今度は、あの頂上に立ちたいと誰もが思うでしょう。そうですね、こんどの八ヶ岳は赤岳に行きたいです。秀峰、赤岳は2,899m。稜線を吹く風に煽られながら歩くのは、シビレるだろうな~。

Rimg0091 西天狗は近くに見えますが、往復1時間掛かります。今日はここまで。下りは、半分をシリセードで降ります。羨ましげに眺めるオバちゃんに少し御指導して、一緒にザーっと降りました。気持ちイイ。到着後も、持って行ったエキスパートの黒竜とワカンで、小屋前の大斜面を使い、少し雪上訓練をしました。無謀にもクラストした斜面を顔から飛行機降りしたA君は、滑落の恐ろしさを体験。命知らずな奴です。大斜面の頂上は、小屋を真下に見て、真っ白な森が迫ってくる素晴らしい景色です。私達は二人は、お山の大将です。下からさっきのオバちゃんが、「気持ちイイですか~?」と声を掛けてきます。気持ちイイですよ、ホントに。

Rimg0141_2Rimg0142疲れて小屋に戻ると、酒にしました。時間は、まだ4時。山に来る時、麓のコンビニを梯子して買い求めたオツマミ達がコタツに並びます。このコタツ、練炭なんで中々暖まらないんです。1時間ほど飲みましたが、辛抱できず、薪ストーブの前に移動。これが暖かい。ザックを枕に、一気に夢の中へ。山に現れた、でっかいトド二匹は、薪ストーブ前を占領し、小屋の主のように眠りこけたのでした。その夜、ちょっとした体験があったのですが・・。続きは、次号で。

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2009年2月 8日 (日)

優しい冬山も好き!八ヶ岳・高見石。2

Rimg0172_2 翌朝は霧の森になりました。霧の森に、白駒池が浮かび上がります。早出したハイカーは既に、雪原で遊んでいます。昨夜は、少し雪が降って、風が強かったみたいです。一部樹氷も見られます。幻想的な風景。隣のスペースで寝ていた若いカップルさん。もう一度行くことにした私達と同じように、白駒池に行くそうです。昨日は黒百合ヒュッテ経由で天狗岳を望み、中山峠を通って、高見石にやってきたそうです。軟弱トレッカーなんですと、控えめに仰いますが、こちらの方がもっと軟弱です。今から池に行くことすら迷っていて、とりあえず降りよ、という息子の進言に優柔不断にも揺れているオヤジだったのです。

Rimg0088他の宿泊者は、既に全員出発した時間。それでも十分な時間があったので、とりあえずスノーシューを借りて池に歩き出しました。5分も歩くと、息子が急に、指先が冷たい、と言いだしました。あ~、痛い~。今朝の濃霧から、天気はまだ回復してません。風も強く、雪混じり。一気に気持ちは、下山に切り替わりました。弱わっちい父と息子は小屋に戻って、訳を言い、レンタル料を返金してもらいました。息子の靴を脱がせると、また靴紐、スパッツ装着など面倒臭いので、そのまま出発しようとしていると、勝手に「小屋はやっぱり、暖かくてイイね~」と言いながら、息子は既に靴を脱いでるじゃないですか。もー、ホントに、こいつは~。親に似やがってー。楽な方になったら、直ぐ元気になりやがる。薪ストーブに、カブリツイテます。
しょうがないんで、バッチや、最近凝っている手拭いをお土産に買って、ゆっくり身支度し直しです。手袋は予備に持ってきたカメラマン・ミトンに、カイロを入れてやりました。人の気も知らないで、あったかー、上高地仕様やな、と分かったような口ぶり。背中にも貼るカイロを装着。靴には朝から、靴底カイロが入ってます。万全を期して下山出発です。そして、サイの河原へ息子と私は向かったのでしたが・・。

Rimg0211_2 そこは、厳冬の世界と化していたのでした。 吹雪く、吹雪く、面白いくらいに風が巻いてます。息子の体重では、吹き飛ばされそうです。頬を風雪が叩きます。鼻が千切れそうに痛いー、と息子は情けない叫び。昨日ののどかな風景は、何だったんのかと思うほどの変りようです。
Rimg0226足元はあっと言う間に、雪に埋まっていきます。ク~、冬山はこれですよ。時折雲が切れ、日が差すこともありますが、次の瞬間には厚い雲と雪がやって来ます。息子は4本爪、私は6本爪のアイゼンを履いてますし、一部氷化した所もありますが、大丈夫でしょう。息子も鼻が痛いとは言ってますが、体のほかの箇所の温かさは十分確保されてるみたいです。デナリパスを被らせてやったら、大人しくしてました。
雪に足を取られ、風に煽られながらも、火事場の馬鹿力が出たのか、息子はサイの河原を急いで通り過ぎようと、凄い勢いで降りていきます。おいおい、雪山を楽しんでる俺を置いていくなよ。やっと森に逃げ込むと、死の谷やったな、あそこはと、マンガで覚えた怖い言葉を上手に使いこなす息子に、私も苦笑いです。

Rimg0275 これぞ至福の時です。冷えた体が、体の芯から温まります。渋の湯の下にある温泉、「渋・辰の館」です。信玄の隠し湯と言われる奥蓼科温泉郷の中にあって、ひときは静かな佇まい。 ご主人には悪いですが、ここの魅力はお客が少ないこと、息子とゆっくり入れます。湯が落ちてる湯船は、源泉から直接採った冷泉です。青みかかった乳白色で、ピリピリするくらい濃度が高いです。その奥が、その湯を温めたもの。ある程度成分が落ち着いていて、じっくり入れます。総ヒノキ造りの風呂場は、年季を感じます。あー、八ヶ岳かぁ。好きだなぁ。山も温泉も。

Rimg0279_2Rimg0290昔、ここの主人には親切にしてもらったんです。八ヶ岳が大雪になった年、渋の湯に向かっていた私は、車を路肩の溝に落としてしまったんです。JAFを待つ間、嫁さんと息子が暖を取らせてもらったのがこの宿だったんです。通りすがりの私達に色々と親切にしてくれた恩を忘れず、八ヶ岳に来た折には、この温泉に立ち寄るようにしています。顔は覚えてもらってますが、余計なことは話さない主人。今日は、「昼は過ぎたけど、巻き寿司を食べてってよ」と、湯上りにお茶を用意してくれてました。ありがとう、また来ます。

Rimg0007 蓼科山です。諏訪富士と呼ばれるんです。今回もある意味、富士の見える山シリーズの一つでしたね。北八ヶ岳の山々、蓼科山、北横岳、縞枯山、そして天狗岳。静かな森に抱かれた、ゆっくりとした登山。その一端を息子と楽しめて幸せでした。小屋で出会ったオバちゃんは、ピラタスのロープウェイから縦走してきたって、言ってたなぁ。私も息子と2泊くらいの余裕で、北八の醍醐味を満喫してみたいです。でも今回はいきなり行った山でしたが、凄く満足感のある山でした。八ヶ岳、最高です。

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優しい冬山も好き!八ヶ岳・高見石。1

Rimg0101 息子が見ている、森のなかの白くなっているところは池なんです。冬季は完全に凍っていて、広大な雪原となっています。白駒池と言います。遠方には、浅間山が見えます。ここは2,270m、八ヶ岳・高見石。これから、その白駒池に向かうと聞かされ、ちょっとビビる息子です。”ちょっとオレには、遠いんちゃう?”
今日は、八ヶ岳の週末が珍しく晴れ予報と聞き、何が何でも、とにかくと言うことで、急遽息子と行ってしまいました。冬の八ヶ岳、最高の巻き!
ここのところの天気は、冬が終わっていくような暖かさ。北アルプスは、まだまだ厳冬してますが、ちょっと八ヶ岳は心配です。雪も少なくなってると聞き、それなら逆に息子を連れて行くには丁度いいでしょう。出発しました、恒例、深夜割引適用、早朝4時前の高速道路です。珍しく車内で寝ない息子。本日は、授けたSONY/サイバーショットT9で、朝日に染まる中央アルプス・宝剣岳を駒ヶ根サービルエリアで撮影したりして、自分の写真をブログデビューさせようと企んでおります。その写真や、なんやかんやで、登山口の「渋の湯温泉」に着いたのは、午前10時頃。息子が元気な分、私がお疲れ気味。途中で仮眠をかなり取っての、この時間です。

Rimg0068 山に近づいて行けば行くほど、雪が無いように見えていた八ヶ岳には、予想に反し、たっぷりの雪がありました。そして、この森の佇まいが、私達を迎えてくれたのでした。
北八ヶ岳の真骨頂は、この樹林帯でしょう。Rimg0058整然と並んだ木立は、どれも真っ直ぐで、背が高く、おとぎの国の森を歩いているようです。歩いているだけなのに、楽しい気持ちになります。森の空気を吸って、清々しいです。山小屋で一緒になった、ベテラン山オバちゃんも、北八ヶ岳の森は雰囲気があるんよ、と熱心に語ります。森が厳しい冬の天候から人間を守ってくれてるんよ、と続き。それは少しでも稜線に出れば嫌と言うほど分かるんよ、と更に続き。森はじっと黙って優しく守ってくれるお父さんみたいなもんなんよ、と締めくくってくれてました。その夜、それはそれは長~い山の話に、付き合わされたのでした。

Rimg0028 こんな不思議な、こぶこぶが並ぶ小さな谷に出会います。なにかメルヘンチックな雰囲気。こうなると、小川に掛かる橋も、小さくて、小人のサイズ見えてきたりします。

Rimg0051_4 ここは「賽ノ河原」。夏はサイの背中のような大きな石がゴロゴロしていて、通過するのに難儀します。冬は雪が積もって歩きやすい。サイの背中にも雪が積もります。探せば、他の動物の背中もあるかな。
ここだけ森が途切れます。視界が開け、右側に中山が見えます。あの向こうは、しらびそ小屋かぁ~。 しらびその森も良かったなぁ。ところで森が途切れると、風があれば凄くなります。三途の川の河原ですから。翌日、息子はそれを思い知ることになります。

Rimg0076到着した高見石小屋は、「ランプと星の小屋」と呼ばれています。天井に吊るされた沢山のランプと、暖かな薪ストーブが迎えてくれます。なかなかの雰囲気。

Rimg0073_2午後の早い時間に到着した小屋に、まだ他の登山者はいません。暖かいコタツに入りながら天窓からの日差しを眺めます。でも、びっしり並べられた布団は、今晩の惨状を暗示していたのでした。1人の人間に与えられた布団のスペースは、わずか幅1m程度です。夜になると、さすがに冷えますので、就寝まではコタツに人が群がります。もう、奪い合い。本日の宿泊者の大半を占めたのは若い女性。こんな冬山に子供が居たことに驚き、雪遊びで疲れ果て夕方に寝てしまった息子に、カワイイ~を連呼。その晩我々親子は 、人気者となり、見事コタツの一角が指定席として確保されたのでした。しかし女性に声を掛けられれば、普段なら大喜びする私ですが、山女となれば、話は別です。イカツー。

Rimg0082_2さあ白駒池まで、スノーシュー・トレッキングです。高見石小屋でレンタル出来ます。アトラスのやつです。一番初心者なやつですが、これで十分。トレッキング・ポールも貸してくれます。1セット1,000円。新雪は、ふっカフカ。この浮力は、病みつきになります。 トレースの無いところにワザと入って、新雪を楽しみます。息子も直ぐ慣れました。下りは苦手のスノーシュー。ワザと滑らせて、楽しんでました。白駒池は、広い雪原を自由自在に歩けます。開放感が最高です。沢山のスノーシュー・トレッカーも集結してました。

Rimg0130夕日が、白い雪面を赤く染めます。夕刻時、賑やかな小屋を抜け出して、展望台に上がりました。他にも数名の先客。夕日に向かって、手を合わせている人もいました。皆、お互い顔を見合わせて、綺麗ですねと挨拶しました。言葉は少ないながら、心からの感想です。ほんの短い時間ですが、素晴らしいひと時です。横を見ると、小屋の中で喋りまくってたオバちゃん。ひと言だけ、”きれいやね”。うーん、心に染みます。

Rimg0140_2夜ともなれば、外は厳しい寒さです。小屋の中は、薪ストーブの暖かさが行き渡ります。我々親子は、更にストーブの横で、あったかーい。息子はコタツで変な体勢で寝てたので、足がしびれたと半ベソ。スノーシューの後は、揚げパンを注文してたので、それがまだ腹の中にあるらしく、食欲が無いみたいです。美味しい鍋と、肉野菜炒め。民宿のような、豪華、山小屋御飯を、私が1人半前食べることになりました。山は太るなぁ・・、・・寝よ。

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2009年1月11日 (日)

雪の森に抱かれて?

Dvc00043_4 ここは八ヶ岳。静かな雪の森には、誰も居ません。朝一番でトレースを付けてくれた登山者も、この時間には峠を越えているでしょう。新雪を歩くと、雪は足跡の後ろに舞い上がるほどのパウダースノー。 踏みしめる雪は、キュ、キュっと小気味良く音を立てます。北からの寒気が、相当強かったのでしょう。空気も乾いています。空を見上げると、雲がどんどん流れています。日差しは、差しては切れるの繰り返し・・・

って、感じになった雪の朝明渓谷から羽鳩峰に登ってきました。始めは雪の渓谷奥をちょっと見てこようと出掛けたのですが、 駐車場に着くとイイ感じの積雪になってました。荷室にはちょうどノースのトレッキングシューズとスパッツ、脱ぎっぱなしで袋に押し込んだままになっていたレインスーツのズボンも有ります。 上着は昨日洗ったばかりのノースのジャケットです。空身で行けるところまでと、出発しました。

Dvc00024 Dvc00030_4体が軽い~。ザックを背負ってないのと、靴が軽くてソールが柔かいので歩きやすいんです。雪山には、いつもゴッツイ雪山用登山靴で入りますんで、こんな軽い靴で雪の上を歩くと足がビックリしてしまいます。ペースもグングン上がって、キョロキョロしてたら、直ぐ堰堤公園です。公園もすっかり雪に埋まってます。綺麗な新雪が広がる公園に飛び込んで、思いっきりトレースを付けてきました。
全然歩き足らなかったので、トレースのある猫谷の登山道に入りました。あー、いいですねー、森の中は。流れる水の音しかしません。動物の足跡があったので、写真を撮ろうと思ったら携帯の電源が切れてしまいました。今日はデジカメは持ってきてません。どんどん進みましょう。沢を離れて急登に掛かります。今日のトレースは、オバサンが多いパーティですか?歩幅が小さいです。さすがに飛ばしましたんで、息が切れましたが、無事稜線が見えてきました。ここは稜線まで木立が多いんで、少し登山道は暗いんです。でも最後の直登は、先に明るく開けた木立の出口が見えてて、そこに気持ちよく飛び出せるんです。飛び出した羽鳩峰峠は、思いっきり雪でした。
カメラがなくて残念です。ハゲた羽鳩峰ピークが、雪に覆われて美しいです。このピークにはトレースが付いてませんでした。雪は軽いですが、深くて急斜面。ラッセルが苦しい。おまけにピッケルもストックもないんで、脚だけで勝負です。ようやく着きました。わたくしが本日最初の羽鳩峰ピークハンターでした。何度も登っているピークですが、今日が一番美しき景色です。この谷の雪景色は素晴らしきです。思いつきで登ったにしては、いい気分じゃないですか。
さあ、降りましょう。本日の思いつきスノートレッキングは、手袋無しですので、手が痛いー。来た道では面白くないので、林道コースへ降りました。や、や、そう言えばこの道は分岐の時にトレースが無かったんじゃないですか。急斜面の下りをズボズボの壷足で下ります。苦しいです。こんなことなら猫谷を戻ればよかった。後悔するも後の祭りです。林道に出れば、ラッセルもなんとかなりました。逆に雪が軽いので、気持ちイイくらいです。この林道は夏も、強い日差しを和らげてくれる、快適快走な登山道ですが、雪の日も最高ですね。もっと雪が積もれば、スノーシューが気持ちいいですよ。この区間だけですが。

Dvc00051 朝駐車場にあった雪ダルマです。まだ残ってました。アフロ・ヘアーの雪ダルマです。なかなかのセンスです。
今日は嫁の居ぬ間に、ちょっとしたスノー・トレッキングが出来ました。往復2時間?さあ、嫁が帰ってくる前に家に着けるように、早く帰らねば。年末からずっと、家の中の片付けが続く今日この頃なんです。

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2009年1月 4日 (日)

新年初登りは、御在所のラッセルで。

Img_0255_2  さすが、ウチの切り込み隊長は、ものが違います。時には腰までくる深雪のラッセルも、何のその。トレースのない国見峠からの登りも、グングン進みます。(初めての雪山なのに~。)私は、後ろからやってくるお年寄りの為に、そのトレースを整地する役目です。これも疲れるぅ~。
今日は、ようやく落ち着いた鈴鹿の山の天気を見て、A君の雪山訓練に、御在所頂上部をウロツいてきました。ロープウェイ頂上駅を出ると、そこは三重県とは思えない豪雪地帯。去年も初登りは御在所でしたが、少し雪が溶けた後に行ったので、これ程の雪は拝めませんでした。鈴鹿の雪山は、降った直後に登る。楽しみたいなら、これが一番です。直ぐ溶けてしまいますから。日の当らない藤内沢には雪が残りますが、皆さんに踏まれちゃって、面白くないです。

朝9時、始発のロープウェイから直下の本谷を詰めている登山者を発見。雪のしっかり着いた急斜面に取り付いてるのを見てると、こっちまでシビレてきそうです。ここは大抵ビレイ無しで登ってしまうのですが、ある意味一番危険とも思えます。
我々は頂上に着いて、スキー場に向かいました。A君の訓練をスキー場の上級者コースで開催。ピッケルの使い方、アイゼンでの歩き方等など。でもA君もやはり一番気に入ってたのは、弱層テスト。雪のブロックを見て、オーのひと言。でも二人でゲレンデに大穴を開け過ぎて、スキー学校の先生に叱られちゃいました。スイマセん~。

Img_0240今日の訓練で、一番の収穫はやはり、ワカンを着けてのラッセル訓練でしょう。スキー場の北側はガレ場の斜面。通常の登山道ではない、国見岳へのバリエーション?近道ルートです。そこにもしっかり雪が降り積もってます。ワカンを着けてる時は良いですが、壷足になったとたん雪にすっぽりハマリます。多いところで1メートル。笹の上に降り積もると、雪に押さえ込まれた笹の下に更に空間があり、雪面はお腹の辺りまできます。二人で、もがきながら前進。 バランスを崩して倒れると、もう立てません。でもA君、いきなりのワカンでしたが、使いこなしてました。ようやく国見峠にたどり着くと、そこから先の登山道も、凄い積雪。ここは風の通り道で、積雪はいつも大量です。今日はここで諦めました。

Img_0263エビの尻尾も出来てました。 でも、もう少し山全体に凍てつき感が欲しいところ。切れるような寒さが欲しいです!クラストした雪面の上に、パウダーの積雪。って贅沢ですか?雪崩も危ないし。
昼飯はロープウェイ駅で。私は、お世辞にも美味しいとは言えないカレーですが、いつもこれ。A君は、天ぷらうどんと御飯。下山後は、A君のリクエストで久しぶりに「蔵之助」へ行きました。うーん、秘湯感のあるお風呂。温まります。湯は、さらっとして気持ちイイです。ここへ泊まると、「大石風呂」という風呂にも入れるんです。忠臣蔵の大石内蔵助にゆかりのある宿ですから。「猪・鹿・鳥」(イノシカチョウ)料理も珍しくて旨いです。
「一年の計は、元旦にあり」と言いますが、今回の山で、今年のテーマが決まりました。ずばり「体力」。昨年は捻挫の回復が遅れ、半分は棒に振り、体力がガタ落ち。歳も取りますし、筋力も持久力もなく、このままだとメタボリック・ボディー一直線です。A君に着いて行ける「体力」が欲しい!正月も食べ過ぎです。

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2008年12月14日 (日)

雪山デビューの二人と木曽駒ヶ岳。

Img_0053  いよいよ雪山シーズンのスタート。ここは2,612m、ピーカンの木曽駒ヶ岳・千畳敷カールです。既に積雪が70cmを越え、舞台は整いました。今日のトキドキ登山隊壮年部は、今シーズン雪山デビューのI君とN森君の二人を連れて雪上訓練をしてきました。
ロープウェイ千畳敷駅を出ると、いきなり迫り来る光景に二人は圧倒され気味。ヨーロッパみたいやなー、とN森君の弁。うーん、まあ、そうですね。とにかく、写真はスリバチ状になったカールの最高点である宝剣岳の直下の乗越浄土を登っているところ。はるか後方には南アルプスを配し、この中央アルプスの険しい山容は雪山気分満点。現実では、おばちゃん登山隊に負けずに登ろうと、必死で頑張る私に、二人も続きます。

Img_0042_3 滑落停止法を中心に特訓開始。とにかく早く滑落を停めることが肝心です。こけた瞬間に、どんな体勢でもいいから停めれるのがベストでしょうか。停め良い体勢になるのを待ってたら、スピードが出てしまってて、もうピッケルでは止めれなくなってます。滑落停止自体に意味があるの、ないのの議論はさておき、やっておいて損はないのが結論です。それから、シリセードとグリセードで遊ばないように!私に後ろからぶつかった人と、自分のズボンを破った人が若干一名ずつおりましたぞ。
弱層テストも少し。シャベルを持ってきてないのと、まだ積雪が少ないので、とりあえず雪の層を見てもらいました。斜面から大きく雪のブロックを取りました。少しはナルホド感あったかなぁ。私ももっと勉強してきます。

Img_0073_2 登りついた乗越浄土は、一面が氷化してクラスト状態です。逆光で宝剣岳の姿が、黒くそびえます。人を拒んでますね~。寄り付きませんでした。この鞍部は吹くと凄い風になります。今日も凄い。吹き飛ばされそうでした。宝剣小屋の影で休憩。小屋の向こうから人が来てたので、もしかしたら入口開いてたの?影でもかなりの風の中で、寒い所で凍ったおにぎり食べたてたんです。中でゆっくり出来たのでは。
私の時間読みが甘かったので、駒ヶ岳は登れませんでしたが、途中の中岳でパノラマを鑑賞。御岳、北ア、八ヶ岳、もちろん富士山も。どの山も山嶺に雪を頂き、壮麗な景色です。静かです。
「山嶺」は「いただき」と読ませます。実は今、ようやくあのベストセラー小説、夢枕獏の「神々の山嶺」を読んでるんです。もう10年も前の小説ですが、現代の山岳小説のスタンダードと呼ばれ、山に関係する人が色んなコメントをしています。ブック・オフで上下巻が揃ってるのをすっと探してたら、何年も経っちゃいました。山の初心者の私でも、読んでいて心を動かされます。西穂の雪は1mを越えてるらしいです。八ヶ岳もかなりの積雪になってるみたいです。この本を読み終えて迎える山は、今までの山と少し違って見えるようになりますかね。

Img_0069 中岳の頂上から見ると、中央アルプスの主稜線から派生した尾根が見えます。ひときは高いピークが三ノ沢岳です。間近に見えますが、遠いです。 尾根上に走る登山道を歩いてみたいです。先生のクリスマス・木曽駒シリーズのひとつに入ってますけど、この体力減退状況では参加できそうにもありません。あの尾根を歩いている自分を、写真の心得のある方に撮ってもらいたいんです。今回連れている二人は、残念ながら写真のセンスないんです。

Img_0076_2帰りは登ってきた急登を一気に下りました。私達の横で同じように雪上訓練をしていた学生さん。私達が降りてきても、まだやってました。スノー・バーがうんぬん。ふむふむ、なるほど。もう少し盗み聞きしてしてたら良かったと、後から後悔。体力と勉強。私自身まだまだこれからです。でも先があるのは楽しいです。
帰りは、いつもの早太郎温泉「こまくさの湯」へ。露天の湯は相変わらずぬるいけど、中の湯船の湯は肌がすべすべして、しっかり温まります。お腹が減ったので、そばとソースカツ丼を頂きました。ここの食堂、なかなかイケるんです。ゆっくりできるし。
ちょっと疲れましたけどいい冬山のウォーミングアップになりました。

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2008年1月16日 (水)

上高地スノーハイクと中の湯温泉旅館。

Dsc01257こんなに穂高の山が近くに見える場所に、来れる幸せをかみ締めます。目の前にドッかと構え、白い雪をまとった姿は美しくて、見ていて飽きません。日本を代表する山岳観光のメッカである上高地は、本当にいい所ですねー。息子も最後は?上機嫌でした。

この週末は年末に予定していた上高地に、ようやく行くことが出来ました。ずっと行きたかった上高地ですが、シーズン中はいつも人でごったがえしていて、行く決断がつきませんでした。それならば冬に訪れてみようと思っていたのでした。「岳人」2007年1月号にはこんな下りが

”人気の上高地も11月中旬には静寂の時を迎える。雪の高原散歩のすばらしさを再認識し直すのもスタンダード冬山への第一歩・・・”

もともと通年一般車両交通規制のある上高地に定期バスの運行がなくなり釜トンネルの車両通行が遮断されると、上高地内の山荘やホテル等の施設も一斉に営業を停止します。上高地は観光シーズンの喧騒が信じられないほどの静寂に包まれるのです。釜トンネルが一種別世界へのゲート的役割を果たしていて、トンネルを抜け穂高連峰が見えてくると感動しますよ。

Img_1665_5 Img_1674_2   釜トンネルは全長1,310m。最大11度の傾斜で上っていきます。歩いてみるとその斜度のきつさが分かります。早くもここで息子はご機嫌斜めです。見えてきた出口を見て、嬉しさで半泣きです。トンネルから出た道路は完全にアイスバーン状態。ここで滑り止めにアイゼンを付けました。

Img_1693 宿から送ってくれた運転手さんが言っていた通り、マイナス11度は寒ーい。出発時点では、天気は曇り。大正池は凍って木々には樹氷が付きます。嫁さんと息子は余りの寒さに機嫌が悪く、前半は殆ど写真ありません。これで機嫌直してくれ~と、大正池の湖畔で二人の足に足裏用のカイロを入れました。そこは大正池から穂高連峰を写真に収める名物スポットで、何人かの人がいて三脚を立て、感動的な写真を一生懸命撮っている場所です。そんな神聖な場所で不釣合いにも、足を投げ出して靴にカイロを入れている私達家族は白い目で見られるはめになってしまったのでした。

Img_1700 出発して2時間半。目標としていた河童橋には遠く及ばず、田代池を到着地としました。しかしここまで来ると、独標、ピラミッドピーク、西穂高、シャンダルム、奥穂高、それぞれのピークもはっきりします。去年の夏、一緒に登った独標を指差して息子に教えてやります。あー、あんな高かったんやと、イマイチの反応。おやつに一生懸命だったのでした。絶景を眺めながら食べるパンなどのおやつが美味しい。熱いお茶が体を芯から温めてくれました。ここで帰るのが分かると、息子と嫁さんは急に元気が出てきます。もう少し先に行こうかと誘うと、とんでもない!ここで充分と、間髪入れずに返事が返ってきました。私は非常に名残惜しかったですが、帰路に着きました。

Img_1710 Img_1722

息子と嫁の帰る足は速い、速い。森を抜け、池の遊歩道もどんどん進みます。捻挫回復途中の私の足は、ついていくだけでやっとです。途中大正池ホテル横にある冬季用の公衆トイレで休憩。二人はここへ来たかったらしいです。

Img_1742 この後、上機嫌となった(遅い!)息子が晴れてきたなあと言うので、振り返ってみると、青空を背景にして穂高が輝いています。嫁さんも、わぁ綺麗やんと言います。私達の上高地訪問に最後、山々がおみやげをくれたようです。冬の間滅多にその全容を見せることの無い穂高の山々を、晴れた姿で見ることができて、今度は私が嬉しさで半泣きでした。よかった、よかった。

Img_1758 今回宿泊した「中の湯温泉旅館」は、これも釜トンネル近くにある「坂巻温泉旅館」が休みのために予約したんですが、これが良かったんです。一泊10,680円の6畳一間トイレ付だったんですが、部屋の狭さは寝るだけなんで気になりませんでした。とにかくまだ移転してから10年も経ってなく、非常に綺麗です。「日本秘湯を守る会」の宿ですが、そんなひなびた雰囲気はありません。逆にそのことが不満に思うぐらい清潔感があって、気持ちが良いです。何よりこの宿から穂高連峰が見えるのが最高なんです。明神岳、前穂高岳、奥穂高岳と岳沢が見えています。これだけ素晴らしい景色が見られる宿は他にはないと思います。

Dsc01277 温泉からもその景色が見れるんですよ。もちろん露天風呂からもです。ヘタなんでこんな写真しかありませんですが、野鳥が露天の側に置かれた巣箱にえさを取りにやって来ます。雪のときはこれを使ってくださいと、陣笠が用意されています。ほんのり硫黄のにおいがする湯に心も体も癒されます。宿のゲートに一日中立っていたおじさんと風呂場で会いました。雪の降り続いた正月の話を聞かせてもらいました。おじさんは冷え切った体を、労わるように湯に浸けていました。本当に癒されるんですよ、この風呂は。

Img_1639_2 Img_1640_2   ワンランク部屋を上げてくれたご主人、宿自慢の手打ちそばをご馳走してくれた奥様、外湯や釜トンネルに何度も送ってくれたり、宿の釜トンネル売店でも親切にしていただきました。いい宿に久しぶりに出会いました。必ずまたお邪魔します。最後に息子は、「色々世話になったなー」と大人言葉でお別れを言い、笑わせてくれたのでした。

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2008年1月 6日 (日)

新春、初登り。御在所へ。

Img_1620新春の登り初めは、ロープウェイで御在所頂上に雪山遊びへ。帰りのロープウェイ。窓に吊るされたしめ縄の向こうには、鎌ヶ岳がそびえます。早朝からの晴天で我が家から鈴鹿山系がくっきり見え、私を呼んでいるような。足の状況も確かめたいので、軽く御在所頂上散策と決めました。雪はそんなに無いと思ってましたが・・・。

Img_1527 とんでもない。山頂付近は雪で一杯。登山口から登って来た人に聞くと、藤内小屋付近から雪があったそうです。甘く見ていた私は、六本爪の簡易アイゼンです。捻挫で硬くなった右足首が曲がらないので、歩きにくいこと。しばらく歩いてなかったので、なんだか足の裏が鈍痛します。最近体力伸長目覚しい息子に置いてけぼりです。

Img_1543 息子のぶかぶかカッパは、嫁さんのでした。駐車場に着いて着替え始めたら、間違って持ってきたのに気が付きました。両方とも黄色なんで、間違えやすいんですよ。腕は捲り上げて、足はスパッツの中に無理やり入れ込んでやりました。息子は折り目が肌に当たって痛いとか言ってクズりましたが、今さらなんともならないのでした。国見岳への途中、ガレ場から四日市を一望です。

Img_1561

やっとここまで来たと言う感じ。向こうに観測ドームが見えます。途中で雪合戦や、雪に字を書いたり、色々遊びますからなかなか着きません。休憩も10分に一回毎です。それに気温も高くて、熱い熱い。冷たいお茶もすぐに無くなってしまいました。

Img_1580 やっと石門まで到着。石の上でお菓子と、熱いお茶をいただきます。向こうには雨乞岳が見えます。真っ白になった山頂には積雪何メートルかなぁ。

Img_1585ようやく到着した国見岳頂上です。釈迦ヶ岳、竜ヶ岳、藤原と鈴鹿の峰々が続きます。また写真には写りませんでしたが、遠く南アルプス、御岳がうっすらと見えました。本当にいい天気だったんですよ。こんな良い天気は滅多にないんです。

Img_1593 「スキー滑っとる人おるで」と御在所スキー場を眺めていたら、オジサンが1人でやってきました。オジサンもロープウェイで雪山を楽しみにやってきたらしいです。後でロープウェイ乗場でも出会いました。

Img_1601_2 帰り最後の登り。もう登れやんとグズりまくる 息子。

Img_1604 ようやく到着。その場に寝転ぶ息子です。今回のブログの題名は「雪山でお昼ね」と言う題にしようと独り言を言ってました。この後はロープウェイ乗場の食堂で、息子はおでん。わたしはラーメンを食べました。下に降りてグリーンホテルへ。やっぱり山の後の温泉は最高です。

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2008年1月 4日 (金)

昨年の今頃は、西穂だったな~。

Img_0270今だ足は完治せず。正月明けは上高地スノートレッキングでウォーミングアップと計画を立てていましたが、天気もはっきりせず誠に残念ですが延期としました。そう言えば去年の今頃は、先生と西穂高で元気に雪山を歩いていたのになぁ~。(写真は西穂高を一緒に征服したオバちゃん登山家)■★■★■

新穂高ロープウェイの穂高口駅から西穂山荘へは、踏み後さえしっかりしていれば楽勝の2時間です。夏に比べれば雪が登山道の細かなでこぼこを平らにしてくれますから、冬の方がかなり歩きやすいくらいです。冬装備をしっかりして天候・気温の心配さえなければ、息子でも大丈夫だと思います。森林帯を進むので、蔵王なみの樹氷も楽しめます。マイナス20℃は当たり前の世界ですから。

Img_0229_3 Img_0232西穂山荘は、夏と同様快適です。酒もひと通り揃っていますし、西穂ラーメンもあります。他におでんやうどん豚汁、カレー等が食べられます。温かいストーブの前で、初日の午後はゆっくり出来ます。時間があれば丸山まで歩いて見るも良いかも知れません。天気が良ければ冬景色の笠が岳、明神岳、焼岳、眼下には上高地が見れる場合があります。這松が見えているところは気を付けながら、登山道を出て思いっきり歩けます。雪まるけになりながら、斜面を転がったり、シリセードで滑り降りたり、やりたい放題です。戻ったら晩御飯です。あったかーい鍋が出されます。お代わり自由です。朝は早いので、周りはうるさいですが先に寝入った者が勝ちです。山小屋では早く寝る技術が大切です。

Img_0233 朝は夜明け前に出発しました。熱いお茶を自分で煎れて水筒に詰めましょう。稜線上のへこんだ所にある西穂山荘は風が通り、早朝は凄い風になります。ずっと左側、岐阜県側から風を受けます。余りの寒さに帰りたくなり、先生を見ると笑っています。丸山手前まで来ると風が止むからです。しかしこの寒さ、凍傷の危険があるので絶対に素手になるなと先生に念を押されるくらいです。一瞬の気の緩みで、指一本無くなります。

夜明け前、辺りの雲が切れて空が明るくなりだすと、周辺の景色が見え始めます。神秘の時間です。好天に恵まれ、この時間に、この厳しい雪道をここまで歩いて来た者しか見ることの出来ない景色がそこにあります。空の青から赤へのグラデーションが地平線上に広がります。隠し持ってきた熱いコーヒーを飲みながら日の出を見て、ここに来た感動を確かめます。先はまだ長いのですが。

Img_0265  西穂高頂上までは12のピークを越えると言われています。8までは数えましたが、途中で分からなくなりました。独標、ピラミッドピークなど名前の付いたピークは碑が立っています。独標からは鋭い岩稜が続き、気が抜けません。先生にザイルを繋いでもらいコンテで進みます。岐阜県側からの風で、信州側に雪庇が張り出します。踏み貫かないように注意して歩きます。足元を外して滑ったら、谷底へまっ逆様です。夏でも滑落で2.3人死にます。写真を撮っている余裕はありませんでした。

Img_0271  山荘を出発して3時間半。2,909mの山頂はさすがに空気が薄く、体力的にも厳しく息が切れます。しかし、それを差し引いても余りある充実感と壮大な景色は、私の山人生に大きな1ページを刻んだのでした。先生ありがとうございました。(写真は後姿の先生と奥様)

■★■★■一年前を思い出しました。こんな登山にまた行きたいです。

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2007年5月 6日 (日)

立山黒部アルペンルート2

Img_0624立山、富士析立、別山、見えませんが雷鳥沢の向こうには憧れの剣岳。余りにも雄大で美しい風景に見惚れてしまいます。写真を見ると、チビの息子が更にチビに見え、米粒ほどでしかありません。室堂は私達を北アルプスの心臓部に置いてくれるんです。 私は人間のちっぽけさを語れる器ではありません。皆さん一度行ってみてください。山歩きせずして、この景色が見れます。

しかし、この雄大さの中で山スキーをする連中も羨ましかったんです。帰りに一緒になった年寄りスキーヤーは65歳でした。10キロ以上の荷物を持って山に登り、一瞬で滑り降りてくるんですが、あの歳でそこまでして滑らせる魅力があるんですよ。山スキーには。私も今年は山スキー再開したいです。ウズウズしてきました。道具の重さが3分の1になったらな~。

Img_0627_1 みくりが池温泉です。雪の中を室堂ターミナルから歩いて12分程度で着きます。外では観光客の皆さんが休んでいましたが、入浴はされていないみたいでした。入ると山屋ばかりで、剣から帰ってきた連中が主でした。ラッセルの話や、雷鳥の話、テントを置き忘れた話などで盛り上がっていました。私も富士山でザックが飛ばされた話で参加させてもらい、楽しい時間を過ごさせてもらいました。息子も風呂の中で泳がせてもらって、にぎやかな日本最高所温泉となりました。ちなみに私は年末に日本最高所野天風呂の八ヶ岳・本沢温泉にも行っておりますので、二大最高所温泉制覇です(山と渓谷による)。帰りには閻魔様の黒たまごを買って帰りました。罪がひとつ消えます。

Img_0615 雪の大谷、今年は14mでした。残念ながら大谷のバス道路を歩くイベントですが、GW中は中止でした。バスからの眺めでしたが、それでもスゴイ迫力です。昨年は大雪だったので19mあったそうです。大観峰にはこれまで最高の25mの写真が展示してありました。とりあえず、これを見るために室堂から天狗平までバスに乗りました。この天狗平も見渡す限りの雪原で、ずっと見ていたい景色でした。息子と少し歩きましたが、離れる息子がすぐに小さくなってしまうくらい大きな景色でした。二人で雪合戦を始めると、すぐバスが来てしまいました。しかし、息子はバスに乗らないと言い出し、ひと悶着。しょうがないのでニンテンドーDS時間が30分延長されることで交渉成立となってしまいました。弱いな~。

そうこうする内に、帰りの時間になってしまいました。やはり悔やまれるのは、このアルペンルート内で宿泊し朝夕の景色を眺めることが出来なかったことです。12月の富士山、1月の西穂高、どれも素晴らしい朝でした。あの感動をここでも是非味わいたいと思います。近いうちにもう一度やって来ます。その時は、息子と登山に来るぜ!立山!

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立山黒部アルペンルート

Img_0650 乗り物の多様さ、ダムのデカさ、そして自然の雄大さを一度に体験できる場所としては、ここが国内ナンバー1でしょう。温泉もあるんですよ。前回ご案内しましたようにGWスペシャルとして、立山黒部アルペンルート旅行記?をお送りします。

前日、何の考えもなく白馬に宿を取った私たち家族は、早朝6時に白馬を出たのでした。ほとんど車の居ない道を飛ばして7時前に到着。駐車場は、前日以前に入山している人達の車で一杯です。運良く扇沢駅バスセンター前に駐車出来ました。前売り券を正規のチケットに交換して最前列に並びます。トロリーバスの一番前でトンネル内を進む様子が見たいですもんね。バーコード読み取りの改札を通過し、二階の乗場へ。予定通り一番前のバスの最前部を確保できました。電気バスであるトロリーバスが少し音を出して走り出します。スーっと言う感じです。Img_0590_2 プリウスなどのハイブリッド・カーが出て珍しく無くなりましたが、ここへ始めて来た幼児期には、未来の乗り物に乗った感動がありました。親の心子知らずで、息子にはそんな感動は無いらしく、暗いトンネルの先を見つめるだけでした。私は改めて乗ってみて、、あの細いトンネルを壁にぶつかることもなく運転する運転手さんの技術に関心したのでした。レールは付いて無いんです。トンネルとバスの間は数メートルだけなんですよ。

15分程で黒部ダムに到着です。ついに因縁の場所にやって来ました。じつは幼児期にここで、寒いよ、寒いよと、泣き叫んだ話が、家族親戚が集まった場で何度も繰り返され、私は辛酸を舐め続けてきたのです。しかし今回は拍子抜けするほど温かく、温暖化の性でしょうか、雪も非常に少ないのでした。息子も熱い、熱いと、上着を脱いで「パパ、何でこんなところで泣いたの?」と言いだす始末。結局今回は、面目丸つぶれの結末だったのでした。

Img_0637 ダムでその大きさに圧倒され、無駄にシャッターを押し続けていると、間一髪でケーブルカーに乗り遅れました。年寄りを連れていると歩みも遅いですし、ここで孫と写真だの、休ませろだの注文も多く、計画的には行きません。今回はまず室堂の向こうに有る雪の大谷を見て、それからゆっくり行動する計画です。急ぎたいのに20分待ちました。けれども遅れたおかげで、また一番に並び、今度は一番最後尾に乗車出来ました。ここならケーブルカーが斜めに上昇していく様子が良く分かります。(写真は帰り)

Img_0635_1 次の黒部平らから大観峰まではロープウェイです。ここに二度目に来たのは小学生の時。親父と春スキーに来たのでした。このロープウェイの下に広がる、たたみ平を滑りました。今でもスキーの技術は上達していませんが、この頃は思いっきりボーゲンで、アイスバーンの急斜面をかなり苦労した覚えがあります。確か滑り出しは、斜面最上部斜度30数度の壁に穴が開いていて、そこから滑り落ちていったと記憶しています。でもその穴が無いんです。その穴は、次のバス区間のトンネル途中に停留所があったと思うんです。そこから外に穴が開いていたはずですが・・・。大観峰で聞いてみました。食堂の女の子が言うには、元々夏の登山道に通ずる雷殿と呼んでいた穴は、登山道と共に崩落してしまい、今は使用していないとのことでした。今、たたみ平を滑る人達は室堂から山を越えて来るらしいです。恐ろしい根性です。(立山黒部アルペンルート2に続く)

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唐松岳、八方山(石神井?)ケルンだけ。

Img_0556 八方尾根スキー場の最上部リフトから撮った写真です。春スキーを滑る人、唐松岳中腹から山スキー・ボードをやる人など、沢山居ました。午後3時頃、最上部でリフトを降り、最終は何時か確かめると、4時10分とのこと。唐松岳帰りの登山者の皆さんとすれ違いながら、なんとか八方山ケルンまで行けました。登山道はところどころ雪が残って滑り易くなっていました。ボーダーのお姉さんが、足取りも覚束なく居たので、リフトの最終時間を教えてあげると慌てて降りていきました。石神井ケルンからでも眺めは雄大です。五龍岳、鹿島槍ヶ岳、かろうじて唐松岳が見えます。先生と雪胴作りに行けなかったのが、なんとも残念です。リフト乗り場から終了を告げる放送が聞こえてくるので、急いで下降。降りて行くリフトに乗ったことが無かった息子は、気持ちイイと、大喜びでした。

Img_0574 白馬方面は未だ春が来たばかりです。あちこちに桜や春の花が咲いています。写真教室の皆さんが、白馬の山々をバックに咲き誇る花々を撮影しておりました。宿もなかなか良かったです。ローゼンハイムと言うプチ・ホテルで、スキージャンプ日本代表の宿舎になっている様です。部屋の窓正面から五龍岳とオリンピック・ジャンプ台が見渡せます。食事もペンション料理なのですが、元帝国ホテル総料理長(誰でしたっけ?)のお墨付きです。ステーキも出ました。息子はその地元信州牛のステーキを上手に切り取り、飯の上に乗せ「ステーキ丼」として食べておりました。お風呂も露天風呂があり、部屋と同様に五龍岳とジャンプ台を眺望できました。 朝早い出発には、親切におにぎりを握ってくれました。

さて今回、どうして中途半端な白馬なのかと言うと、翌日に立山黒部アルペンルートへ家族で観光に行ってきたんですよ。このGWは行動が遅くて、宿が取れなかったんです。しかも下調べ無しだったので、アルペンルート内の宿か小屋で泊まる発想が出てきませんでした。朝晩をアルペンルート内で過ごせば、朝夕のすばらしい景色が見れる訳で、ぬかった事をしました。でもお袋も連れて行きましたので、小屋は無理だったかも知れません。アルペンルートの話は、次回GWスペシャルで。

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2007年4月 7日 (土)

思いがけず富士山。

Img_0066 タイトルバナーの背景、変えてみました。我ながら、なかなかの出来です。中央に見えているのは、もちろん富士山です。この写真、去年の秋に木曽駒ヶ岳に行ったとき撮りました。塩見岳など南アルプスの稜線上に突き出る姿はすばらしい光景です。すごく遠くにあるのに一番大きく見える山、富士山。眺めながら自然に手を合わせていました。

今回は去年の12月に富士山に登ったときのことをお話します。この時はまさか、その冬に富士山に登ることになるとは思いもよらないことだったんです。11月、四日市の山道具屋グリンデルワルドで偶然先生と会いました。その時たまたま富士山の話が出て、軽い気持ちで参加を決めたんです。だって富士山なんて、5合目まで車で登っちゃうし、毎年老若男女が登っているお手軽登山だと思っていたんです。まさか、冬富士は別次元の話だとは、知る由もなかったんです。出発2週間前の話でした。

参加が決まったので、まずネットで富士山を検索してみると、「滑落」「突風」「高山病」「死亡」等のキーワードが次々と出てきました。更に本屋でガイド本を立ち読みすると、全文が夏登山についてばかりで、最後の方の一文に「・・・冬の富士山は一部の登山家のみに許された世界である。」とあります。「登山家」とは登山の専門家のことを言うんですよ。自分は雪山がまず初めて。アイゼンを付けて歩いたことさえ無いんです。滑落、怪我、死亡、色々と考えましたが、今さら止めるとは言えません。なんとかなるだろう、と自分に言い聞かせ、とにかく準備です。あと2週間なのですから。その間に道具をそろえ、パッキングして、時間が無いですから毎日少しずつ準備しました。

Dsc00242_1 当日の朝は晴れました。前日金曜日の夜に出発していた先生と河口湖で待ち合わせました。仮眠していた車から外を見ると、目の前に富士山が見えました。不安も吹き飛ぶ美しさです。一日目は五合目まで車で行き、少し下がった佐藤小屋に泊まります。午後には雪上訓練を行いました。初めてのアイゼン装着。駅前アルプスのオヤジに言われた通り、膝を突いてしゃがみ片足ずつ装着しました。一緒に参加されたA子さんには、初めての雪山が富士山なんてスゴイですね、と言われれてしまいました。また不安になることを・・・。ハーネスにロープを付け、翌日の為にコンティニアスの練習。ピッケルの滑落停止、耐風訓練等をしました。富士山は独立峰なので、突風も怖いんです。

Dsc00267 その夜は寄せ鍋をいただきました。奥さんの出来る限りのもてなしが、嬉しかったです。テレビで日本女子バレーがイタリアに簡単に負けるのを見て、9時に就寝。ふとんには、湯たんぽをいれてもらい熟睡できました。翌朝は3時に起床。4時に日本で一番早い朝食を、また鍋でいただきました。

Dsc00287_1 5時前に出発。外は氷点下14度。まだ暗い登山道をヘッドライトで進みます。雪も多くなり、アイゼンを付け、ハーネスにロープを結びます。夏の登山道は雪で全く埋まり、茶店も屋根だけ姿を見せています。山肌は真っ平らになり、ところどころ岩が突き出ている状態です。これはコケたら、滑り出し、スピードが出て、岩にぶつかって、グチャグチャになってしまうわ。一歩一歩が慎重になります。だんだんと空が白み始め夜明けが近づいてきます。雲上の景色をバックに、富士山の斜面から登る朝日はすばらしくきれいでした。3000mを超えると、呼吸が苦しくなります。息がドンドン早くなります。急な雪面を斜めに足を向けて登る状況が続き、足が張ります。しかも登山靴は慣らし無しの、ぶっつけ本番です。氷点下で手足の指先がしびれてきます。常に動かしてないと、血が巡ってきません。先生に、休憩中にはくれぐれも手袋を外さないようにと指示を受けました。たちどころに凍傷になるそうです。持って行ったサンドイッチは、シャリシャリでした。何度か登頂を諦めたい、と言い出しそうになりました。

Dsc00286 そして、登頂です。初めての雪山、日本一の富士山、そしてこんな苦しい登山を乗り越えた自分に感動して涙が出ました。頂上からの眺めは最高でした。とにかく今まで登っていたクラスの山々が余りにも小さく見え、3000mを超える高さを実感しました。「富士山頂上浅間大社奥宮」の石碑前で記念撮影。何か食べて休憩しますが、すぐ下山です。天気がどんな風に変化するのか読みづらい富士山の山頂に、長居は禁物です。

下山も慎重に足を運びますが、それでも登りに比べれば楽勝・・・。しかし、恐ろしい落とし穴があったのです。その悲劇は突然やってきました。休憩中に降ろしたザックが突然の突風に飛ばされ、木の葉のように何百mも下へ落ちていったのでした。ザックには財布が、そして車のキーが入れてあるのです。頭真っ白です。ころころと小石の様にずっと下へ落ち続ける様子を見ていると、やっと止まりました。しかし、一番危険そうな崖の淵に止まったのです。でも登山道の側です。全員で急ぎそこまで行きました。そして先生が取りに行ってくれることになりました。ロープを皆で支えて、先生は崖の淵まで行き、遂に私のザックを回収てくれたのでした。あなたは神様です。雪山でザックを降ろすときは、くれぐれも地面に突き刺して固定したピッケルにザックのストラップを掛けておくようにしましょう。

佐藤小屋に戻るとホッとしました。これほど緊張した山登りは初めてでしたので、すごく疲れました。しかし、すごくいい経験になりました。先生は、冬富士は山登りをする者にとってひとつの勲章だよ、と言ってくれました。そしてこれがきっかけで今シーズンからの冬山挑戦がスタートするんです。おまけですが、帰りは上九一色温泉に入って帰りました。

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2007年2月 3日 (土)

雪山一年生です。

Img_0265 雪山初シーズンは富士山、宝剣岳、西穂高と登りましたが、好コンディションばかりで・・・これでいいのか?富士山は突風と高所の対応は大変でしたが、アイゼンの食い込みはよかったし。宝剣岳も晴天。西穂高は西穂山荘からの1キロ程度はスゴイ風でもう帰ろうと思いました。しかし少し進むと一転好天。朝食も取らずに5時出発したのが大正解。すばらしい夜明けを見ることが出来ました。紺色から赤へのグラデーションが水平線に広がっている様は、3,000m級の冬山に登らなければ見れない光景でした。よかった~。

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