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2009年10月24日 (土)

テントのことなど。アライ・エアライズ、ファイントラック・ツェルトⅠ。

Img_0009 夜の扇沢駐車場の某所?。奥の林で風が出ても弱まるかなと考えたのですが、考えが甘かっんです。その夜吹いた風は猛烈で、吹き飛ばされそうでした。でもここは駐車場よりよっぽど静かです。扇沢駐車場は夜中途切れずに車が到着します。車中で寝るには駐車場所を探す車のヘッドライトの光が差し込んで眩しいですし、だいいちうるさい。落ち着いて寝れないんです。駅の軒下にテントを張る方も見えますが、あそこが一番うるさい場所です。到着した車は必ずあの前を通りますし、みんなトイレにやってきます。それに明け方に到着した人がそばをウロウロするんです。
   実は先日の扇沢で、エアライズのフレーム・ポールを折ってしまいました。ポールの継目が完全に入ってなかったようで、そのままスリーブに入れてテンションをかけてしまったんです。付属の補助チューブを持ってなかったのですが、テーピングで応急処置。ことなきを得ました。でもその晩は凄い風で、補修箇所がまた折れないかと眠れなかったんです。雨の中、N森君と同時にポールをスリーブに通してたんですが、私の方が焦ったようです。いつもなら1人で慎重にポールを組むんですが・・。極限まで軽量化にこだわったスカンジウム・ポールですから、デリケートに扱わないと簡単に壊れてしまいます。

Img_0338  翌週名古屋に行く用事があったので、駅前アルプスにポールを持っていったら、その場で修理してくれました。破損した部分のポールを取り替えるだけ。費用は交換用ポール代の482円のみ。ポールの中を通るショックコードが端の石突の中に結んであるので、それを解いて、ポールを交換して、再び結び直すだけ。自分でもできる作業です。親切な海坊主さん、全部やってくれました。
 ついでにツェルトの張り縄と自在を購入。ツェルトは半年前にオークションで格安で落札したんですが、余りに安かったので封も切らずに放ったらかしにしてたんです。ファイントラックのツェルトⅠです。早朝の近所の公園に行って試し張りしてきました。

Img_0296  ツェルトにしては上手に張れたと思いますが、どうでしょう?(ホワイトバランスをミスって写真の色はご勘弁ください) 色々工夫してみたんですよ。一般的にどんなツェルトでも、軽さを追求しているのでとても薄い生地で作られていますから、強度がないのと気温や濡れによる伸び縮みが激しいので、ツェルト生地がすぐにたるんできます。
 大抵ツェルトを張って1時間ほど経てば全体が緩んでみっともなくなってきて、みっともないのは良いのですが、いくら結露しないと謳われているツェルトでも内面は必ず結露しますので、中に居るとそれが体にくっついてきて気持ちが悪いことになってしまします。テントも同じですが常にピンと張られたものが理想です。さらにツェルトというものはフロア部が割れていますので、紐やホックで底割れを閉じています。そこには大きなテンションがかけられないようになっています。このファイントラックのツェルトもすぐに弛んでくるので、今年のモデルから各辺に濡れてもほとんど伸びないダイニーマのテープが縫いこまれています。私のは格安の昨年モデル。ということで緩まないようにちょと工夫してみました。

Img_0316_3 Img_0260_3  テンションをかける各ループにゴム紐を付けてみました。モンベルのステラリッジがヒントです。エアライズのフライの長辺の真ん中にあるペグダウン・ループもそうですが、ゴム紐が生地の伸び縮みを吸収してくれます。張ってみた結果は見た目には分かりづらいですが、一応ゴム紐作戦は成功です。ただ私の張り方が悪かったので入口側に上手くテンションが掛かってません。入口側のトレッキングポールは人の出入りの為にツェルトからやや離して立てるのですが、そのためにラインがやや下がってしまいます。ポールをもう少し長くしてラインを上げないとダメでしたね。まぁ、今朝の公園の芝は夜露でやや濡れ気味でしたが、1時間ほど息子と遊んでいてもツェルトがみっともなくなってくることはありませんでした。

Img_0262_7 Img_0252_2  想定外ですが、犬小屋のようなツェルトは息子にはピッタリサイズでした。私が朝ゴソゴソしてたら息子も起きてきて、いっしょに行くって言うんです。着いてきたからしょうがないんで、張ったツェルトに入らせてみたら、面白いくらいに息子の体に合ってるんです。息子も最初は「ちっちゃいな~」とか言ってましたが、出たり入ったりして、クンクン匂いをかいで・・って、おまえは犬か!? でもかなり気に入った様子です。
 140センチの息子の背丈なら、あぐらをかいても大丈夫。中で炊事をすることも可能? 雨がなければですが、シートを敷けば底割れも気になりません。シートはMPIのウェザー・ブランケット。これ何年も使ってるんですが、ホントいろんなことに使えるし暖かいし役に立つアイテムです。これも駅前の海坊主さんに勧めてもらって買ったんだよな~。1900円は完全に償却済です。

Img_0289_2  私も入ってみれば幅80センチで、足元にザックなど荷物を置いて、寝袋に入って、多少寝相が悪くても大丈夫みたいです。息子も言ってましたが、妙に落ち着きます。このまま暫く居たいような・・
 底割れを縫い付けることも考えてみましたが、現実的でないので、MPIのシートをバスタブ状にしてみようかと考えています。ツェルトが最高にライト・ウェイトな仕様の防水性のあるテントとして機能するなら、どんなに良いだろうと考えるのは人の人情。実際そう使ってる方もみえます。でも本来の使い方としては緊急用シェルターなわけですから、アイゼンを着けたままや、靴を履いたまま中に居ることができるのが、底割れのよいところです。床が地面なら火気を使っても気を使うことがありません。ツェルトに緊急用として本来の用途を維持しながらテントの機能を持たすには、防水性は不十分ですがテントマットかシートが普通のテントのバスタブの代わりになってくれると都合が良いです。ツェルトの周りに上手に溝を掘ることを忘れずにいれば多少の雨ならしのげるでしょう。

Img_0328  それから今回、このアライ・スティックペグを購入。去年の小梨平で隣のテントの方に教えてもらったのがこのアルミ製ペグ。一本168円と安い上に、曲がらないように神経を使うVペグに比べ、気がねなくガンガン叩けます。10グラムと軽くて、6グラムのチタンとかカーボンとか色んなペグがありますが、使い勝手のよさがペグには重要。頭がカギになっているのも良いところ。コストパフォーマンスの高い一品です。 16センチで、地面が土だと抜けやすいか?地面までしっかり打ち込みましょう。ハリガネ状の小さな輪があると、貫く時に便利とも教えていただきました。あのオジサン、今年も行ったのかなぁ。

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2009年10月16日 (金)

大願成就なる。黒部・下の廊下。山行編。2

Img_0087  チョーきもちいーです~。阿曽原温泉小屋の露天風呂。下の廊下の醍醐味のひとつ。このすし詰めの露天風呂にこそ入りたかったんです。来た甲斐がありました。山行途中で温泉に浸かれる贅沢を楽しめる山は、そう多くはありません。この長い道のりを歩いたからこそ最高の気分が楽しめます。「風呂に飛び込んだ」という表現はこの日のためにあったんです。温泉の名前「阿曽原」は「あぞはら」と読みます。語源は「熱い野原」→「アツハラ」→「阿曽原」。簡単すぎ。

Img_0088  露天は小屋からテン場を通って、10分ほど降りたところにあります。一時間毎に男女が交代で入ります。我々は17時からの部に入りました。特に時間の指定はないので、次の19時からの部に入っても構いません。食事は指定されて18時30分から30分間。30分の間にカレーのお代わりは何杯でも自由。N森君、3杯も食べてました。
 本日小屋に泊まるのは、今シーズン最高の130人!定員50名の小屋ですから、もう大変です。先週予約の電話を入れたときは、時すでに遅し。「予約扱い」は既にいっぱい。「予約扱い出来ませんけど泊まれますよー」とお答えいただきました。つまり布団は2人に一組扱いということ。ところが本日は今シーズン最高の人出で、なんと2.5人に一組の布団だったんです。つまり2枚の敷布団に5人が寝るんです。テントみたいに頭と足を互い違いにして寝ました。臨時の寝場所となった食堂には床一面に人間が敷き詰められました。写真がなくて残念。寝返りも打てません。一応シュラフ持ってきたんですが・・。。小屋のオヤジさんに、「お前ら用意いいな」とオダテられたものの、掛け布団のない結果はどういうことですか?トイレに起きて歩く時は、他の人を踏んでいきます。(爆)

Img_0159  朝4時過ぎに出発しましたが、谷深い黒部渓谷に日が差したのは7時前でした。欅平の列車の時間は9時18分。色んな情報が飛び交いますが、まずこの列車に乗らないと、その後の列車では普通の観光客の後回しにされて、帰りがずっと遅くなってしまうかも。M君とT嬢もこの列車を宇奈月で待ってくれてます。先を急ぎたいんですが、すし詰めの寝床では、ろくに眠ってないんですよね。これも醍醐味の内なんですけど、私もN森君も疲れがピークに来てました。

後半は川から離れますが、地図を見るとずっと同じ標高970メートルを歩く水平歩道がまだまだつづきます。小屋で作ってもらった朝弁当を食べようとしたら猿が現れました。猿から離れるまで朝食はお預け。動画の猿の姿と鳴き声が確認できますか?志合谷のトンネルは実に5分の距離。真っ暗なトンネルをヘッドランプの明かりを頼りに歩きます。

Img_0179  最後は蜆(シジミ)坂を一気に350メートル下ります。送電線の鉄塔からは直下に欅平の駅が見えています。ようやくここまで来ました。弱音を吐かないN森君、でも膝は限界に来てるのが分かります。私も足の震えが抑え切れません。私の挑戦にここまで付き合ってくれてありがとう。本当に感謝します。2年前に黒部ダムの坂を下って、小鳴沢で捻挫。そこまでしか知らなかった下の廊下は、そこからが本当の姿だったんです。素晴らしい景色に心を奪われました。でも本当に感動したことは、ここまで一緒に歩き通せたことです。30キロの距離を楽しみながら歩けたのは、N森君のおかげ。下の廊下の酸いも甘いも味わい尽くせた満足感を、一緒に共有できた仲間がいたことに感謝です。
 しかしこの下り坂、長いのってなんのって、これほど急な登山道を作りますか?逆方向には死んでも歩きたくないですね。欅平駅の喧騒が聞こえだしてきたころに携帯が鳴りました。M君、欅平に居るって言うんです。あの時はごまかしてましたが、とてもホッとしましたよ。二人でこんなところまで迎えに来てくれてありがとう。

Img_0182  とうとう着きました。N森君、最後にいいポーズ決めてくれました。今回のN森君に不満があるとしたら、写真の被写体としてイマイチだったこと。山のスケール感と、その場の臨場感が出るのは、画面に入っている人間次第なんです。最高のポイントでもどんどん歩いて行っちゃうんで、何度もシャッターチャンスを逃しました。まあ、先を急いでたのは分かりましたが。N森君が急いでたのに、私は写真の為にいつも遅れて歩いて、ちょっと苛つかせてましたか?(笑)

 欅平からの黒部渓谷鉄道は素晴らしかったです。2年前に嫁さんと息子は、これを往復したところで捻挫した私と連絡がとれたんです。迎えに大町まで戻らせて悪いことをしました。でも息子もまた乗りたいといっていた鉄道は、奴の言う通り素晴らしい景色を見せてくれました。水泳大会どうだったかなぁ。

Img_0228  「キトキト寿し黒部店」が改装中で、慌てました。ここの寿しを最高に美味く食べるために、下の廊下を歩いてきたんです。(ちょっとオーバーですか。) でもそこから8号線を10分も走ったところに魚津店がありました。ピチピチの日本海のネタが回ってます。写真撮影用に並べた皿から目を放すと、いつの間にか、いくつかの寿しが無くなってじゃないですか!山で丸二日間、行動食とカレーだけで過したお腹に新鮮なお寿司、もう最高ですよ。焼肉と寿司が大好物のM君も凄いピッチ。T嬢と楽しい旅が出来たでしょうか。

002  昨日T嬢からメールが届きました。貼付されていたのは、びっくりするほど綺麗な写真でした。立山は素晴らしかったようです。帰りの渓谷鉄道では黒薙温泉の部屋から眺める景色を、楽しそうに語ってくれていました。M君とT嬢には、単なる私たちの送り迎えになって欲しくないと気を使いましたが、十分旅を楽しんでもらえたようです。

P1010374  下の廊下は私個人の挑戦のつもりで計画し、あしかけ3年の月日を経て今回無事完歩出来ました。記事の中にも書きましたが、予想通りに歩き応えのある山行を歩き通せたことにとても満足しています。けれどもこれは何より、支えてくれた皆さんのおかげだと感謝しています。参加できなかったH場君には、2年前、捻挫をした私と自分のザックを担いで何キロも歩いてくれたことを本当に感謝しています。今年こそ彼と下の廊下を歩きたかったです。今回一緒に歩いてくれたN森君の方が頼もしかったですが(笑)、H場君のキャラクターが山に無かったのが我々二人には寂しかったです。2年目にはA野君とI村君も計画に参加してくれてましたが、今回は残念ながら参加できませんでした。いつか皆でここに来よう。その時にはM君とT嬢がまた無理を聞いてくれるかもしれません。今回は本当に助かりました。N森君、最近ずっと週末も一緒のような気がしますが、そうなってしまってることを楽しんでいます。今回は三日も一緒に居ましたが、相当な我慢でへそ曲がりな私に付き合ってくれて感謝しています。そしていつも私の勝手を許してくれている嫁さんと息子に心から感謝します。本当にありがとう。
 最後に無事に帰らせてくれた山の神にも感謝します!うれしい~。

関連記事≪ありがとう、Hくん!黒部・下の廊下、撤退。≫

 

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大願成就なる。黒部・下の廊下。山行編。1

 「道は川から直立している岩壁に刻まれている。崩壊された岨道はますます狭く峻しくなり、歩くよりもへつりの方が遥かに長くなった。」(冠松太郎「黒部渓谷」)

 集中力を途切れさせることはできません。全行程の大半が動画にあるような、断崖絶壁へ足元が切れ落ちる登山道。道幅は1メートルもありません。滑落すれば怪我ではすまないでしょう。ここを歩くコツは、高所の恐怖に麻痺してしまうこと。N森君も最初は腰が引けてます。でも人間の慣れとは恐ろしいものです。後半は相当な高所にも関わらず、まったく平気な歩きっぷりでした。もう、どうにでもなれ!という感じ。
 ただこの下の廊下の厳しさは、この切れ落ちた水平歩道だけではなかったんです。それは全長30キロメートルに及ぶこの登山道の長さにありました。歩行時間は一日目だけで9時間以上。まだまだ登山初心者の我々です。下の廊下は、予想に違わない本当に厳しい山行になりました。「この二日で大人になった」、山行を終えたN森君の弁です。(どこが?と嫁さんに叱られそうですが・・) 計画から丸2年の時間と、30キロの距離。黒部川・下の廊下、ようやく完歩して大願成就なりました。

P1010354  この丸太ハシゴがいかにも滑りそうで、怖さ倍増。黒部別山谷の上流、屏風岩の大へつりにある高巻き。20メートル登ります。落ちたら真逆様。更に30メートル、合わせて50メートル下の黒部川に転落です。一旦登ると、直ぐに20メートルを同じようにハシゴで降ります。これがもっと怖い。「コワ過ぎ~」とか声を出しながらでないと正気でいられん!

Imgp2650_2P1010365_2  命からがらハシゴを降りてきた誰かさん。お尻が大きいのは、カメラのレンズで強調されてるからです!これ、懸垂下降した方が安全なんじゃない?一部一部はいつもの沢の危なさと同等ですが、連続するそれとスケールの違いでもう大変です。
 右の写真は、下の廊下唯一の渡渉、黒部別山谷出合です。かなり少なくなりましたが雪渓が残っていました。谷の奥にはスノーブリッジも。N森君、アゾロの重登山靴で軽快に石を渡ってるんですが、実はあちこちで滑りまくるんです。後ろから見ててもヒヤヒヤするんです。最初はプライドを傷つけてはと黙ってたんですが、後半はもう我慢できなくて、オイ~!

 凄いスケールの峡谷。白竜峡です。対岸に落ちる滝は垂(タル)沢からの流れ。冠松太郎が「神澤」と呼んだのはここのことでしょうか。

「棒小屋沢剣沢の落口(十字峡)から、この深澤に至る間の黒部川は、おそらく全流を通じて、最も流水の壮美な所で、その景観は、日本に比類ないものということが出来るだろう。」

 とにかく素晴らしいとしか言いようがありません。動画で少しは雰囲気が伝わるかもしれませんが、これ程深い谷がこれだけ明るく、日本らしい渓谷美をすごいスケールで映して、我々の前に姿を現していることが信じられませんでした。ただ息をのむばかりです。

P1010397  エメラルドグリーンの釜に7メートル直爆が、剣沢の水を落とします。剣沢を渡る吊り橋からの眺め。水は釜から写真上部に見えている黒部川へ流れ込みます。下の廊下で一番有名な場所、「十字峡」です。黒部川に西から剣沢、東から棒小屋沢が注いで、川が十字路になっています。冠松太郎が命名。
 黒部川の水はダムの水で残念ながら濁っていますが、剣沢の素晴らしく透き通った流れを見ると、ダムの出来る前の黒部川が今よりももっと美しい渓谷だったことが想像できます。過去の水量も今は発電のために取水してますから、数倍はあったといわれています。両側から流れ込む水で、川が煮えたぎっているように見えたと冠は表現しています。黒部川の水は濁ってはいるのですが蒼く濁っていて、下流の仙人ダムでは素晴らしく蒼い色を見せてくれます。

P1010401

 この高さ、どうなんですか! 阿曽原小屋のHPでは川までの標高差は90メートルとのこと。人の救助で降りたときに計測したらしいです。下の廊下ナンバーワンの写真スポット。落ちた人は写真のポーズをしてる時に・・。「N森~、ポーズするな!」叫んでもさっさと歩いていくんです。後で聞くと、一日目は足元をずっと見てたんで、周りの景色を見ている余裕がなかったらしいんです。まぁ、このあたりから相当な疲れが出てきたんです。思えば10キロ過ぎの十字峡に着く前辺りから、チェックポイントのシャワーを潜る沢はまだかまだかと言ったんですよ、N森君。ふざけてるのかと思ってたんですが、彼も相当疲れてたんですねー。ぎりぎりの登山道に精神的にも参ってたかも。
 全行程のほぼ中間地点。15キロは歩いています。でも小屋まではまだ7キロ近くあって、私も明るいうちに小屋に着けるのか心配になってきました。日が陰ると体が冷えてきて、体力がどんどん奪われて・・、でも足だけは勝手にドライブしていきます。まったく、この下の廊下は、歩き応えのある道なんですよ。

Imgp2677 Img_0047_2  ようやく仙人ダムに着きました。送電線のトンネルが見えてきたときは嬉しかったです。吊り橋を過ぎた広場で寝転んであんぱんを食す私。(いつの間に撮った?)あんこで生き返りました。仙人ダム湖の青がとても美しい。なんの成分でこんな色になるんでしょう?

Img_0061 Img_0062_2  発電施設専用のトロッコ列車軌道橋と仙人谷駅。トロッコは黒部ダムから欅平まで地下を通っています。定期的に見学会が開かれているようです。平日だけみたいで、また定年になったら来ます。

Img_0074  しかしまた仙人谷からは一気に標高を100メートル上げる急登。これには二人とも閉口。さらに水平歩道はまだ終わりません。クゥ~。着かず離れずだった二人組とも話したんですが、「夢の下の廊下は甘くはなかった」という意見で一致。がんばろう!
 阿曽原温泉小屋までは素晴らしい森が続きます。ブナ林は森の水を保ち、黒部川の水を守っています。さあ権現峠を越えて一日目のラストスパートです。小屋には山の秘湯が待っています。登山者だけの温泉。
 これでも30キロの中のほんの一部の話だけです。まさに下の廊下は、人生になぞらえられるほどの長き旅なんです。次回は阿曽原温泉小屋からの山行をご紹介します。

・関連記事≪ありがとう、Hくん!黒部・下の廊下、撤退。≫

・開発前の下の廊下の映像は、黒部ダム・オフィシャル・サイトムービー第2章「ダム建設開始≫でどうぞ。一瞬ですが、熊が流される映像→新越沢→白竜峡→十字峡が映っています。物凄い水量なので最初は位置の判別が付きませんが、下の廊下を通った方なら何度も繰り返して見てもらうと、もしかしてあそこ?と分かるはずです。黒部川は、どえりぁ~水が流れとったんだわ。
・同サイトの≪ムービー第4章「くろよんの今」≫では、オジサン二人が内部トンネルを巡視する映像に続き、ドアを開けた向こうにダム下流側が映し出され、黒部の凄い積雪が確認できます。下の廊下が秋まで積雪で通れないことにピンとこない方は、世界でも屈指の黒部の積雪量をどうぞ。

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2009年10月14日 (水)

大願成就なる。黒部・下の廊下。旅行編。

P1010280_2  黒部ダムの観光放流です。私たちのいる橋のところから500メートル以上離れてるんですが、凄い迫力で迫ってきます。音も地響きのよう。あの壁の向こうには、とてつもない量の水が堰き止められています。考えるだけでも怖いですよ。この辺りの紅葉は始まっています。昨日の風で秋が深まったようです。
 ここまでは急な下り坂。膝に爆弾を抱えるN森君は慎重に下降。私も前回の轍は踏まないように、足元をしっかり確認しながらの歩行を心がけます。黒部川の雰囲気、漂いますね~。

Img_1132  3年前の写真です。この下の廊下にやってきて、小鳴沢で足を捻挫したんです。(詳しくはこちら) その時は、今回は残念ながら参加できなかったH場君と乗り込みました。捻挫の後、山から離れること数ヶ月間。リベンジとして迎えた2年目は、天候に裏切られて西穂慰安旅行に変更。今回はなんとしてもこの山行を成功させたいと思っていました。今回のパートナーは同期入社でスーパー?アウトドア・マンのN森君。彼も昨年のリベンジ計画から参加してくれて、満を持しての登場。そして、我々の送り迎えの依頼に快く応じてくれたM君とT嬢。さて、みんなの協力で「下の廊下」、出発です。

Img_0004_2    気合の入った出発の前に前夜祭。一日目の夜は扇沢でテント泊。豊科インターを降りて大町市内のファミレスで御飯を食べる計画だったんですが、スキーバッジテスト1級のN森君にとって、この周辺はお庭。焼肉にしようとの一声で、計画変更。私も行ったことあります。昔、白馬方面のスキー場からの帰りは、とても道が混んだんです。そんなときに寄ったのがこのお店、「焼肉ソウル」。普通のメニューもあるんですが、焼肉定食がお値打ち。十分な量のお肉がついて1,800円とは昔と変ってません。サッパリとしたお肉で旨い!N森君と私の若かりし頃を語りながらの楽しい宴となりました。(オヤジの話はくどかったですか?)

Img_0006  その後は、計画通り「湯けむり屋敷・薬師の湯」へ。立山プリンスホテルなどの高級温泉ホテルが建ち並ぶ大町温泉街の一角。立ち寄り湯で、広い露天風呂からの星空が美しいんです。この温泉が気に入ったT嬢の湯上りを待つ間、テレビでまったり。なにか、明日山に行く雰囲気ではないような・・。焼肉に温泉と、下の廊下の前にちょっとハシャギ過ぎですか?

Img_0014  ご自慢のエア・マット「サーマレスト」をテントの中で膨らますN森君。昨年の「下の廊下」計画時に買ったまま未使用だったんです。何もせず置いておけば膨らむのがうたい文句の「プロライト4」ですが、自ら空気を入れなければいけないことがご不満なようです。でも触って見た感じは、値段だけのことはあります。たっぷりとした厚さとクッション。畳んだらコンパクト。羨ましいです。
 残念ながら扇沢は小雨。駐車場にはエアライズだけ設営して、M君とT嬢は車中泊。夜半からは風が凄くなり、張り縄もせずに寝たんですが、テントが浮いてくるほどの風に睡眠は中途半端。扇沢の標高は1,400メートル。寒~い。でも翌朝の赤沢岳は凄い景色になってたんです。

Img_0017_3  頂上部は冠雪。既に天候は好天に向っています。朝日が赤沢岳を紅く染めています。立山山頂部は紅葉の真っ盛りで、そこに雪が降りましたから、素晴らしい景色になってるんではないでしょうか。写真好きには堪らない瞬間。この季節一日あるかないかのタイミングで、M君とT嬢は立山黒部アルペンルート頂上部、室堂に向います。彼らがこんないい景色を見にいけるなんて、計画をしたのは私なんですが、ちょっと心穏やかじゃなかったです。羨ましい。

Img_0018  朝6:30始発のトロリーバスで、赤沢岳山腹を貫くトンネルを通り、黒部ダム駅に到着。ここで一旦彼らとはお別れです。彼らは室堂を往復。多分、一生のうち一度か二度出会えるかどうかの景色を見てくるんではないでしょうか。今度会うのは、富山県側の宇奈月温泉。彼らには黒部渓谷鉄道黒薙駅から更に山の中にある秘湯、黒薙温泉旅館を予約しておきました。こんな機会にしかまず行くことがないでしょう。とても雰囲気のある温泉のようです。楽しんできてくれると良いです。
 それでは次回はいよいよ「下の廊下」本編をお送りします。

関連記事≪ありがとう、Hくん!黒部・下の廊下、撤退。≫

今回の山行ルートはこちら≪ALPSLAB虫眼鏡≫
 

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2009年10月 1日 (木)

GPS地図の見え方。Garmin Oregon。

Img_0389 先日読者のYさんという方から頂いたコメントのおかげで、地図表示にはNautical(海図)モードというのがあったと知りました。ありがとうございました。なんだそんなことと言われる方も多いと思うんですが、私にはビックリだったんです。地図製作者のいどんなっぷさんにも親切にしていただいて、色々と勉強になりました。通常モードとNauticalモードの違いを”いどんなっぷ”地図で比較。一番良く使うよく使う80mスケールと、その上の120mスケールで表示してみました。

左:通常モード      右:Nauticalモード
・80mスケール

172_3 434

・120mスケール
183 440

 通常モードでは長者池が水色になっています。私のOregon、実は今まで設定はずっとNauticalモードだったんです。Nauticalモードの場合水場はみんな白で、そんなもんだと思ってたんです。水色になったのには感動しました。等高線は通常モードの場合かなり黒っぽくなりました。Nauticalモードの茶色い等高線ですが、スクリーンショットではかなり薄く見えますが、今までで使ってきて困ったことはありません。ただ実際明るい屋外で使ってみると、通常モードのほうが等高線は読みやすいと思います。120mスケールでは等高線が混んで見難いですが、色んな混みかたの場所がありますので一様には言えません。現場ではタッチパネルで常に拡大縮小を繰り返してますので、山の状況を判断しやすいスケールを無意識に選んでいる感じです。またそれをリアルの地図にフィードバックしたり、またOregonに戻ったり、その他色んな情報を駆使して状況判断をします。実際のところ、その場でGPSはただの情報ソースの一部でしかないですから、このレベルの地図の見え良い悪いはそれほど重要ではないと思うのですが、どうでしょう?

31 69

129_2 101_2

Nautical(海図)モードにするには、
Main Menu > Setup > Marine >Marine Chart Mode
で、Nauticalを選びます。
いどんなっぷさんに教えていただきました。

それからもうひとつ、通常地図では太く表示される50メートル線(計曲線)についても質問したところ。

>パソコンでの表示では等高線は太さの差で表示されていますが,
>GPSでの表示では太さではなく
>色の違いで表示される機種がほとんどです。
>ブログの画像でも,計曲線と主曲線で色が若干違っています。

とのことでした。オレゴンを一見して色の違いを判断できない私の目は、もう年寄りの目みたいです。計曲線が見えてなくても補助数値が出てるんで決定的な不便はないのですが、イメージの中で紙の地図と同期する時にちょっと・・。・・やっぱり太い計曲線が欲しいです。ガーミンの仕様ということもありますが、いどんなっぷさん、今後の改良をお願いします。

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