芦生の森に魅せられて。京都大学芦生の森研究林2
「ブナの木一本、カツオ百匹」と昔漁師さんは言ったそうです。それほどにブナの木は、下流域の環境を豊かにする存在だったのです。白神山地のブナ原生林が世界遺産に登録されて、ブナは非常に注目されることになりましたが、過去は加工のしにくい木材として嫌われ、伐採が進んだ時期もありました。
芦生の森自然観察会の森歩きは「長治谷作業所」から。私達のパーティーに付いてくれた長谷川研究員は物静かですが、物凄い植物の知識は圧巻です。植物に関する歴史的な話や、植物の分類、何でも答えてしまいます。まだお若いので将来有望な研究者になるのではないでしょうか。
モリアオガエルの卵です。この写真は長治谷作業所の裏手にあったものなんですが、森に入るとなんと7・8メートルくらいの高さからぶら下がっているものもあります。あんな高さまでカエルが登っていったなんて信じられないくらいです。
それからこれ、ウツギでしたでしょうか?間違ってたらゴメンナサイ。それよりこれ凄いんです。良く知ってる人には凄くないんですが、花に虫が入ったまま実になりつつあるんです。虫が入ってるのが大きいやつです。自然って凄いですよね~。
植物はその根を地中に幹や枝の何倍も広さに張り巡らせています。この大樹の根張りは凄い。一部露出した根は枝の何倍もの太さです。比較的平坦な地形で安定していたからでしょう、何百年もの間この地で生育してきました。その根に張り付いた苔も美しい。ここは湿度も高く苔の生育に適しているそうです。
森は一変に霧に包まれました。神秘的な風景に様変わりです。芦生の森の最深部に入ってきてますから、その雰囲気はさぞ鬱蒼とした状況を想像しますが、実際は違います。鹿の食害を受けて森の下層植生はかなりの被害を受けています。本来、樹木の下の下草が森の土壌を豊かにしているのですが、その芽が出ぬ間に鹿が食べてしまいます。そのせいで、森の地面は綺麗さっぱり。残って生えている下草はトキカブトなど毒性のある草ばかりです。笹もスッカリ無くなってしまったそうです。現在は地元猟友会と鹿の駆除対策を進めています。。
「イノシシの朽木」と名づけました。同伴していただいた長野さんの思い出話に大イノシシのお話がありました。そのイノシシは軽自動車なみの大きさで、映画「もののけ姫」に出てきた猪の長「乙事主」(おっとこぬし)のようだったというお話。その場で腰が抜けてしまったそうです。 この森には首の長い鹿等まだ見ぬ動物達が沢山生息しているようですよ。
水の流れが土中から昔の朽木を発掘します。かなり昔からこの地で林業が行われていた形跡が分かる朽木もあります。芦生の森は全く人の入っていない原生林ではなく、人と共存しながら大切な植生を守ってきた「原生的森林」であることが分かります。
デッカイおやじは、熊穴から這い出すのに一苦労します。他の皆さんも穴で記念写真を撮りたそうにしてるのに、我々で独占しちゃってゴメンナサイ。
ずっと歩いてきた由良川の源流、最初の一滴を見て、倒木の下をくぐり、斜面を登っていくと最後の目的地杉尾峠です。晴れていれば日本海を眺めることができるそうです。眺めは今回お預け。ここまでおよそ4キロ、標高で100メートルをゆっくりと案内していただきました。素晴らしい森の体験ができました。そして自然の大切さを再確認、また自分自身の不勉強も再確認出来ました。
観察会を通じて研究員の方々の、森の植生を大切にする使命感、プライドを持って研究林の仕事をなさってる姿にも感動を受けました。実に羨ましい仕事ですよね。また今回は近隣ガイドの方や、京都府の担当者の方も参加され森の詳しい話を伺えました。ありがとうございました。
それからN森君とH場君、朝早くからご一緒してくれてありがとう。
次回の自然観察会は秋です。今度こそ通常当選します!
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